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「URBAN VINEYARD」

SPEC

  • 岐阜市長良小松町二丁目22,23番
  • 標高18.5m
  • 0.2ha
  • 斜度0%
  • メルロー721本
  • 樹間1.2m/畝間1.5m

  • 細粒質普通灰色低地土/粘土質土壌(重埴土、シルト質埴土、軽埴土、砂質埴土等)
  • 細粒は、チャート(放散虫由来の二酸化ケイ素)と砂岩(石英(マグマ由来の二酸化ケイ素)、長石(アルミノケイ酸塩)等)が混合していると考えられる。
  • 岩利より細粒径は若干大きい。


特徴

  1. <住宅地>  住宅地にポツンと取り残された畑です。畑に面した道路は、生活道路として人や車が頻繁に通ります。
  2. <密植>  日本では樹勢が強いため一般的に畝間は2.0~3.0mで疎植が主流。一方ボルドーではAOCで植栽密度を定めており、サンテミリオンでは最低5,000本/ha、メドックでは6,500~10,000本/haとされているようです。ドメーヌヒサマツは、サンテミリオンに少し及ばないものの、日本の中では極めて密植度が高い畑だと思います。育ち過ぎを抑え、良質のブドウを得ることと、土地面積当たりの収穫量を上げることが目的です。しかし、風通しや日当たりが悪くなることで病気に弱くなるというデメリットがあります。果たしてどうなるでしょうか。
  3. <肥沃>  ブドウ畑にする以前、一部を、岐阜市に老人健康農園として貸し出し、多くのオーナーが細かく区画割りされた場所で野菜を栽培していました。そのため、場所によって肥料が多く入ったところと少ないところがまだらになっています。全体としては肥料成分は多めに入っていると思われます。岐阜市から返還を受けた後、1年間以上放置し、その後、ブドウ用に造成しました。
  4. <水はけ> 古くは長良川やその支流が暴れていた土地であり、丸い河原の石が産出します。全く平らで、土は埴土(粘土質)なのですが、水はけは良く、雨水はすぐに沁み込み、水が浮くことは殆どありません。
  5. <芝生> 外周に芝生(センチピードグラス)を生やしています。風通しの改善、土壌保持、雑草に集まる害虫の軽減、草刈りの低減が目的です。一部にミントが自生(野菜畑の名残り?)しています。また不耕起を採用しています。有機物の分解が遅れ、土壌炭素量が増加し、土壌細菌叢と土壌動物も増加することが見込まれます。
  6. <垣根、ギヨ・プサール仕立て> 日本では垣根と棚のどちらが合うのか、はっきりとした答えは出ていないようです。作業効率とヨーロッパのブドウ畑へのあこがれから、垣根を基本とし、短梢剪定と長梢剪定の良いとこ取りができて、また、安定した樹液の流れが持続するギヨ・プサールを採用しています。
  7. <ビル?風> 平地の住宅地にあり、南北ともに2階建てのアパートが立っています。地形による風への影響は殆どない場所ですが、建物によって風が舞い、乱れた風が吹きます。
  8. <日当たり> 春、秋の太陽が傾いた時期は、朝、夕に東西の住宅によって影がかかりますが、時間は短く、大きな影響はありません。
  9. <虫・鳥・獣> 山から離れているため、被害は極少です。主な害虫は、マメコガネ、ドウガネブイブイ、スズメガ。主な害鳥は、カラス。住宅地なので害獣は、いません・・・と思っていましたが、2023年8月タヌキの家族が、ブドウを美味しそうに食べているところを監視カメラで捉えました(ショック)。モズやムクドリがよく虫を食べてくれます。

生産緑地

2022年12月12日、この畑は岐阜市の生産緑地に指定されました。

「都市農業振興基本法」

「生産緑地法」

「都市農地の賃借の円滑化に関する法律」

に基づいた制度で、生産活動に裏付けられた緑地機能を生かし、農業と調和した都市環境を保全、形成することが目的です。

標識を設置すること、30年間営農を継続することが義務付けられます。

一方、固定資産税等の軽減、相続税納税猶予の優遇が受けられます。

いずれにしても、造り手は、一生をこの畑に捧げる決意です。


引き継ぐ畑

  • 登記簿を遡ると、明治22年の相続による所有権移転にたどり着きます。この時の所有者は、稲葉郡長良村長良の久松さんですが、耳にしたことがないお名前で当久松家との関係は不明です。
  • その後もう一度相続されたのち、昭和25年「自作農創設特別措置法第16条」により父へ買渡されています。これは、戦後の農地改革に纏わる法律で、おそらく、当時小作をしていたところ、国が買い取って安く配分していただけたものと思われます。ここから当久松家の所有となっています。因みにこの時父は11歳。祖父が気を利かせて予め父の名義にしたのでしょう。
  • また、当時地目は田となっています。畑の記憶しかありませんが、古くは田んぼであった可能性があります。

  • 岐阜市から返還された直後の老人健康農園。
  • 2019年12月、造成・トレリス完成。
  • 2020年3月、苗721本定植完了。

  • 2020年5月
  • 2020年7月
  • 2020年8月

  • 2021年6月
  • 2021年10月、知らなかったのですが、畑横の道路には、長良川温泉の源泉から旅館街までの配管が通っており、この日漏水(湯)修理工事がありました。
  • 2022年1月

  • 2022年7月、3年目で立派なブドウが実るようになりました。
  • 2022年9月