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- 岐阜市長良福光1600-9
- 木造・枠組壁工法
- 敷地面積 267.5㎡(80.9坪)/延床面積 176.1㎡(53.3坪)
- 市街化区域(商業地域)
- 標高 17.3m
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<商業地> 当初は、自宅か畑のすぐ近くに醸造所を建設することを目論んでいました。しかし岩利の畑近くはインフラがないのでコスト高。自宅と小松町の畑は市街化区域の住居専用地域の為、パン屋など作業場床面積50㎡以下の工場しか認められません。ということで、どちらにもそこそこ近く、ワイン醸造所が建設可能な用途地域となると、商業地域( 危険性や環境を悪化させるおそれが少ない工場で作業場床面積が150㎡以下であれば建設可能)に絞られます。不動産屋さんにご尽力いただき、商業地でピッタリの土地に巡り合うことができました。
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<低エネルギー消費> 環境負荷を抑える、エネルギーコストを抑えるということ以外に、何もしないで自然の力だけで静かにワインを造ることを目的に、原動機を利用した機器は最小限に抑えています。電源が必要な機器は、LEDライト、エアコン、スクリューキャップ閉栓機、電動小型リフトのみです。水道水のお湯にガスを使いますが、その他に燃料は使っていません。タンク間のワイン移動は重力(サイフォンの原理を含む)のみで行います。タンクは大小2種類で、各タンクは上中下3階層に設置します。大タンクは中層(架台)に固定で、大タンクから小タンクへのワイン移動は中層から下層へ落下させます。小タンクから大タンクへは、小タンクを上層にリフトで持ち上げ、上層から中層へ落下させます。瓶詰時は、中層の大タンクから下層の充瓶器に落下させます。このように作業スペースの上下高さが必要で、天井高さは5.4mもあります。また、小タンクとビン保管用の台枠には全て車輪を取り付け、人力で場所移動できるようにしています。因みに、柱の無い大空間を安価に実現するため、建屋は木造2×6枠組壁工法を採用しています。
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<大きな洗い場> 一般的にワイナリーのタンクは大型で移動し難いため、その場か近傍で洗浄します。この時、床は水浸しになり、水が跳ね、飛び散ります。この光景を最初に目にしたとき少し違和感を覚えました。当醸造所では、大きな洗い場を設け、全てのタンクをここに運び洗浄しています。タンクはプラスチック製で軽量の為、移動は簡単です。大きな洗い場、小さな洗い場、道具置き場が隣接しているので、清潔で効率的な洗い物作業を行うことができます。
- <一筆書き> 入出荷場→作業室→貯蔵室→入出荷場と一筆書きにモノが流れるように部屋を配置しています。そもそも作業者は造り手一人なので作業者同士ぶつかることはないのですが、モノが一方向にしか移動しないことで、ムダが省かれ、コンタミのリスクも小さくなります。
2023年6月8日完成
(設計・施工 株式会社相宮工務店)